ツキヨタケの木版画
ツキヨタケの木版画を制作しました。このキノコは発生初期に見ると椎茸やヒラタケと見間違えてよく中毒を起こします。食後1時間ほどで嘔吐、腹痛、強烈な下痢症状を引き起こし、症状がひどいときは死亡に至ります。新潟県の山に登った時のことです。山頂からの下山道で私たちは美味しそうなキノコを見つけました。しかし、ツキヨタケではないかとの疑問が湧いたのでキノコを軸の真ん中で割って見ると、案の定付け根の部分にツキヨタケの特徴である楕円形の黒いシミがありましたので毒キノコと判定してそのまま少し下り、小さな広場で休憩していると、中年のご夫婦が嬉しそうな顔で下ってきて私達を見ると「あんたたちあんなきれいなヒラタケを見逃すなんてもったいない」と言われました。私が即座に「あのキノコはツキヨタケで猛毒ですから食べたらダメですよ」と言いましたが、耳を貸すこともなく下山して行かれました。帰宅してからしばらく新聞にこのご夫婦のことが載っていないか見ていましたが、何事もなかったようでした。