神戸のカレンダー
通りすがりの女性が表に掲示している私の版画を見て入店。いきなり「お友達になりたいので、私に年賀状を書いてください」と名刺を差し出した。私は仕方なく12月に彼女の住所に年賀はがきを送った。すぐに彼女から素敵な色刷り木版画の年賀状が届く。 やがてグループ展の案内状などが届くようになり、一度は日程が合ったので京都の会場まで足を運んだ。2019年の暮には、このカレンダーが届いたが、(20分の1)という書き込みがあるので、作成数は20部のみという事。
この時、偶然やって来たお客さんが、これを見ると「うちの嫁さんが神戸が好きで遊びによく通っています、ぜひともこのカレンダが欲しい」「ここに20分の1と書いてあるでしょう。20部しか作成していない物なのでおそらく無理です」。「お金はいくらでも出しますから、是非ともお願いします」。と引き下がらない。まさかこのカレンダーをお客さんに渡すわけには行かないので、「おそらく無理でしょうけども、彼女に一度お願いしてみます」その旨を彼女に伝えると「私のカレンダーが欲しいという人がいるということは非常に嬉しい。改めて作成します」と快く引き受けてくださった。
私にかかわる人々は本当に優しくありがたい心の持ち主である。